鬱考。

2000年11月7日
やったー仕事でミス。
部長の飛行機違う時間で予約しちゃったよ!
そしたら他の時間すでに満席だよ!
しかも今日部長出張で、明日怒られなきゃだよ!

へーいうぇるかむ憂鬱。
いやまぢで今ぶるぅなんだけどね。
なんというかこう限りなく不透明に近いというか不透明なぶるぅ。
しかし昨日の日記今日になって書き込んでいた間はすっかり忘れててわりと熱くなってたけど。そんなもんか自分。

いやー憂鬱さんが胸にたまってて息苦しいね。頭の中やなことでぐるぐるしてるしね。こりゃ今夜不眠に脅かされるぞあっはっは。
いつもはこうまでぶるぅになんないんだけどねぃ。
ちょっと今環境悪いからなぁ。私も実は結構精神的にキてたか。平気だと思ってたんだけどなぁ。そして今日帰宅したらやっぱり環境悪いしな。

まあ明日になればイヤでもケリつくからいいんだけど。いやあまりよくもないが。

できたら明日という日がこないでくれると嬉しいって感じ?世界滅亡とかさー。
そんな藤生は運動会の前日に「明日雨降らないかなぁ」と真剣に祈っていたタイプの人間である。
三つ子の魂百まで。うむ。

それってどうよ。

2000年11月6日
上高森遺跡で石器発見捏造発覚。
うっわださ。

藤生は一応学生時代歴史学を囓っていて。
うちの大学は文献史学だったんだけど、いちおう概論として考古学も1コマだけとった。

いつから遺跡発掘って宝探しになったわけ?
そりゃお宝は見つかった方がいいかもしれんが、見つからなくてもそれはそれだろ。ないもんはないんだし。
そもそも学術調査だろ?うわーいやったぁ明日はホームランだ!ってな結果期待して掘るのは心得違いでは?と言うのももはやあほらしい話ではあるが。

そりゃさー、地元としてはお宝が出ればそれ中心に博物館建てるプランも出来ちゃうし観光客呼べちゃうし地域活性お金も集まるとゆーわけなんだろーけど。
だからって偉い先生呼べば出るものなのか?それは。
遺跡だのを金蔓と思おうと藤生はべつにいいと思うけど、くだらない期待して有名な人呼んで金積んじゃうのはださださでしょ。
そしてそれに答えようと石器埋めちゃうのはいわずもがなだけどさ。
いやー脱力な事件だな。まぢ。

駄目じゃん自分。

2000年11月5日
ここんとこ日記を思いっきりさぼってしまった。

だって遅く帰ってくると書くの面倒なんだもんさ。

31日は友人Kとご飯食べて遅くなって。
池袋の新しいお店に入ったんだけれど、入ってみたら結構高級店で。サービス料別にとられちゃうような。
さすがに美味しかったです。しかし、焼き魚とか出てくるのに箸が木の枝ってどうよ。雰囲気作りはわかるけどさ。

1日は友達Mの出る劇見に行って。
うーん、相変わらずよくわからなかったよ。
そしてMの後輩Mちゃんに会い、苛めたおす。
これも愛だよ、うん。

2日は部長の歓送会。
社員食堂じゃ食べ物のレベルがね〜。
そして私はワサビが食べられないのだが、お寿司で、タマゴにまでワサビ入ってるってどーゆーことよ。藤生衝撃。そんなに私に寿司喰わせたくないか社員食堂。

3日目は大学のサークルのOB会。
2年ぶりに大学祭にゆく。贔屓だった豚汁の屋台が今年は出ていなくてちょっと寂しい。ラーメン食べようと思ったら混んでるし。
めぼしい品がないので外で寿司屋に入ったら、同行の友人Kの上司と遭遇、おごってもらっちゃいました。
ちなみに藤生の注文「ヒカル丼」
今月限定のメニューで、鰺と秋刀魚が入ってる。
しかし何故片仮名?藤生の頭の中では「ヒカルの碁」がぐるぐるしていた。友人Kもそうであった。
……パンピーならここは宇多田なんかなぁ。
OB会では皆様お元気なようでいとめでたし。食事も美味しかったし。
しかしカクテルの名前の恥ずかしさはどうにかならないか。
「ストロベリーキスは初恋の味」もどうかと思うが「飲む!フラメンコ」ってどうよ?
それをフルネームで注文したHの旦那のMさんは男前だと思う。うむ。

4日は疲労で寝倒す。

5日、上に同じ。しかも胃腸の具合がダメダメ。いいかげんダメージきたか?

こんな生活してて読書なんてろくにしてるワケない。
相変わらず「蜘蛛男」読みかけ。やっと明智小五郎登場。いつの間に印度なんて行っていたんだこの男……

彼は乙女ちっく。

2000年10月30日
隣の代理は基本的に外回り。
なのに今日の午後は珍しく社内にいた。
暇らしい。
いや、内にいるならいるで、やらねばならない仕事は結構あるはずなのである。でもやる気がないらしいのである。デスクにてんこ盛りの書類の山を右から左に移動させてスペースを確保すると、おもむろにノートPCを開き、立ち上げたのはインターネット。
ああ、ネットサーフィンね……まあアナタのお客さんIT関係多いから、客先調べてるんです〜って言えばごまかせるもんね……と横目で見つつ、藤生、上司に頼まれた書類のプリントアウトをよいよいのプリンタで行う。
「ねぇねぇ、藤生(仮名)さん」
「はいなんでしょー」
「生年月日、いつですか?」
あん?
とーとつに一体なんですかと思いつつ、隣のモニタを覗き込むと、そこは占いサイト。
「……何やってんですか代理」
「いや、占いをやろうかと」
「自分でやればいいじゃないですか」
「だって自分でやって悲惨な結果が出たらいやじゃないですか」
ちょっと待てやあ!そんならハナからやるなっつーか、私なら悲惨な結果がでてもいいんかい貴様!!
心中シャウトを押し殺し、藤生は笑顔で
「……何占いですか?」
「姓名判断です」
しかもすでに名前の欄には藤生の本名が打ち込まれている。
いらない所で手回しのよい男、T.K(別にコムロとは何の関係もない)31歳。こないだまでちょっぴりやばい事件に巻き込まれ、公的権力に呼び出されたりしてへこんでいたが、最近やっと手が切れたらしく、妙にご機嫌である。
なんか脱力して、藤生、生年月日を教える。もう気分は勝手にしといてくれである。
「おお!藤生(仮名)さん!藤生(仮名)さんの名前っていいトコばっかですよ!いやあ、いいなあ羨ましい!!」
なんかよーしらんが、どーやら結構いい結果らしい。
いいからはよ自分のやれよおっさん。
「えええー、でもこれで僕の悪かったら最低じゃないですかー、いやだなぁ、どうしよう……」
だからイヤならやるなっちゅーねん……
てか仕事しろってばさ。
それでもうだうだ言いつつやっちゃう代理。暇なんである。
「うっわー、僕悪いじゃないですかどうしようねえ藤生(仮名)さんどうしたらいいでしょううわぼく40代で死ぬかも真剣に」
「………………代理、占い信じたりしてるんですか?」
「いやー別に信じてるってほどじゃないんですけどー、気になるしやりたいじゃないですかやっぱー」
と言いつつ、何故か別の姓名判断のページを開いている代理。
「何やってんすか?」
「いや、こっちだったらもうちょっといい結果が出るかなーと……」
我思うにアナタの名前がT.Kである限り結果は大して変わらないと思うが如何に。
そしてやはり大して変わらないんだなこれが。
そして良い結果がでる占いを求めて、占い検索サイトをブックマークしてまで渡り歩くか三十男。
そして必ず先に私のデータを入れて結果を確認してから自分の占いをするか三十男。
「うわ〜僕、5年後に×▽□子さんて人と巡りあえて、その人が運命の相手らしいです〜」
……てか妻子持ちだろう三十男。
2時間はそうやって遊んでいただろうか。
「僕の職業適性魚屋が一番らしいです。どうしましょう」
……なればいいんじゃないでしょうか。
幼稚園以来の友人がCDを返しに来る。
夕食後で、今からお茶するのもなんだしとゆーので、なんとなくカラオケに行く。
いや、TMNが歌いたかっただけなんだけどね……。
二人とも好きだし。

しかし、途中でDAMの
「アニメ・オリジナル映像」
というのを見てしまってから、いきなり路線変更。
いやあ懐かしのアニメが見たくて。
友人いきなりキャシャーンだし。
私コンバトラーVだし。
しかし、グレンダイザーの歌で、
「人間の星 みんなの地球」
という歌詞があり、歌ってた友人Mが、
「傲慢だ……」
と一言。
確かになー、地球に優しくない感じだぁな。
しかし昔のアニメは凄いこと歌ってるよね。
「光る電磁波」とか言われても困っちゃうもん。
体に悪影響だってばさ。
オシゴト。
東京地域懇親会。
3日前まで何も指示されなかったから、てっきり本社で留守番かと思っていたら、会場に連行されちゃったのことよ。
ふふ、普段スニーカー通勤、社内じゃペタンコ靴愛用の私は、ヒールは久しぶりなんだってば……
それなのに休憩時間さっ引いて5時間立ちっぱはきいたよ真剣に。
しかもそういう日に限って電車で座れないってのが世の中ってもんだよね……
客で藤波が来るっていうから楽しみにしてたのに来ないしさ〜。
ちぇ。

何のことはない。
うちの部のコピー機とプリンタへのお願いである。
ヤツらはご老体である。しかもよいよいだ。すぐにトラブルを起こす。だが非情な当部のおぢさん方は
「買い換えると予算外申請しないといけないからめんどい」
との投げやり、もとい、節約精神溢れる理由で、ご老体がトラブる度に強引に修理を重ね、棺桶に片足突っ込んでいるマシンに鞭打って働かせている。パーツ交換などしようものなら在庫が見つからないため2週間はうちの部はトナー汚れまみれの薄汚い書類垂れ流し。しかしそれでも世代交代はなく、今日もご老体は働いている。
しかしご老体は所詮ご老体なので、ボケていらっしゃる。

プリンタは最近認識能力に乏しい。
「トレイニヨウシガアリマセン」
はいはい、と思ってトレイを引っ張り出すが、そこにはしっかりペーパーが入っている。
……おじいちゃん、ご飯はさっき食べたでしょう?
説得を試み、ちょこっとペーパーを揃えてから入れ直してみる藤生。
「トレイニヨウシガアリマセン」
だから入ってるっつってんだろうこのボケがぁあ!!
しょうがないので手差しトレイにペーパーをてんこ盛りにし、設定をいじってそっちから紙を喰わせる作戦に出た藤生。しかし手差しは所詮手差しですぐ紙がなくなる……。

そしてコピー機は最近意固地だ。
A4縦をコピーしようとすると、
「そのサイズは現在つかえません」
トレイを引っ張り出してみる。ペーパーはちゃんと入っているし紙詰まりもなく何の問題もない。
だがしかし。
「そのサイズは現在使えません」
頑なである。A4縦の何がそんなに嫌なのだお前は。
A4横なら素直にすーっとコピってくれるのである。だが縦は断固拒否である。使えないと言ったら使えないのである。
だがヤツはご老体。健忘症である。
スイッチ切って説得すれば、3秒にして新しい自分に生まれ変わり、A4横への憎しみも忘れて再びコピーを受け入れてくれる。
しかしそのうちまた自分の気持ちに気付いちゃうんだけどね……。

そんなマシンsに説得を繰り返し今日もお仕事。手差しトレイから紙を消費するプリンタは、いっぺんに沢山のお仕事を要請されるとパニクり、“ピー”という軽快な音と共に文字化け書類を吐き出してくれる。
最近寛大になってきたので、
「ああそっか、沢山みんながアレコレ言うからやんなっちゃんだよねーごめんねー」
とルーターのスイッチを切る余裕も出てきた。だがマシンは甘やかせばつけあがる。
たかがB4のエクセルシート2枚でパニクるな貴様ー!!

お願い、予算外申請してぴっちぴちのにうましん購入して上司……でも「なーんかいいことあったらしい♪」はインクジェットだよ上司……

プロテクトな貴女

2000年10月24日
会社でお仕事を言いつけられる。
120枚のデータ入りFDを綺麗すっからかんに真っ白にすること。
♪一つ消しては父のため〜二つ消しては母のため〜三つ消してはふるさとの兄弟我が身と回向して〜♪
フォーマットしてもフォーマットしても無くならないFDの山に、藤生、思わず賽の河原の幼子と化す。
しかし、地獄の鬼も現れぬかわりに地蔵菩薩も顕現せず。半日ひたすらにFDフォーマット。これが何故かくせ者で、素直にクイックフォーマットに応じてくれるFDさんはよいのだが、時々
「容量が違うかディスクが入っていません」
容量が違うはともかくディスクが入ってないって何やっちゅーねん!!入ってるっちゅーねん!!
仕方がないので出来る容量で普通のフォーマットをさせていただく。時間がかかる。うざい。
そんな作業の中、一枚、
「ファイルが使用中かライトプロテクトされています」
……らいとぷろてくと?
上書き防止用の、あのツメをカチッとやることである。しかし3分くらいそれを思い出せず、一生懸命ドライブのプロパティとか調べている藤生。
莫迦である。
ただ言い訳させてもらえるなら、あまりいじらないだろうそんな部分普通さ……

そして今日、PHSにてこのしょーもない話を友人かなこに話す。思い切り高らかに笑われる。まあ仕方ない。
しかし私の失態を「かっちょわるー」とケタケタ笑った彼女は仰った。
「でもさぁ、ライトプロテクトがあるなら、ヘビープロテクトとかってないの?」
……はい?
私の怪訝な声に気づいたか、彼女はなおものたまわった。
「ライトプロテクトって、軽いプロテクトって意味じゃないの?」
をい。
RPGの防具かそれわ。
ていうかライトはライトでも“light”ではなく“write”だと思うのだが如何に。
じゃあ何だ?FDにかけるのはライトプロテクトでハードのような大容量にかけるのがヘビープロテクトか?これはこれでRPGの防御補助呪文のようだが。
そんな彼女はギリシャ神話をモチーフにした絵なんかによくある「踊るニンフ」とか「水浴するニンフと××」とかいうタイトルの「ニンフ」を「妊婦」だと思っていた素敵なお嬢さんである。
「だって腹出てるじゃん」というのが彼女の言い分だがまあ確かに西洋画は妊娠3ヶ月くらい?っていう腹に描かれていることはままあるな。うむ。

本日「木島日記」読了。「蜘蛛男」電車の中で立ったまま読みながら寝こけかける。寝ぼけつつ読んでいるのだから当然進まない。まだ全然冒頭だっての……
優勝するとよいねぇ。ダイエーのセールはそごうなんかのハンパなのより全然お得だったから。

昨日は書店にて「木島日記」購入。今は「古代研究」まで読んだところ。
そういや折口信夫ってホモだったんだよねぇ。かつて読んだ折口研究の本が冒頭からその話で、「もうちょっと他のところから始めてやれよ……」とか思った記憶がプレイバック。
しかしこれの漫画版というのはちょっと読んでみたいが、書店にある?

今日は今日とて、100円ショップまで買い物に行かされたついでに贔屓の古本屋へ。
江戸川乱歩著「蜘蛛男」(春陽堂文庫)購入。明日から通勤電車内で読む用。
そして買い物袋をぶらさげたまま図書館へ。群ようこやら泉麻人のエッセイだの、「東京おいしいもの文学散歩」だのを借りる。
いやあ、載ってる店のどこもが高そうさ。
しかし大学時代によくお昼を食べに行っていた「志むら」の和菓子が出ていてちょっと吃驚。
私にとってあの店は「生姜焼き弁当」と「ハンバーグ弁当」と「雑煮」の食べられる甘味処であったが、そういえば本体は和菓子屋だった気もする……。
藤生は字が汚い。
ヘタウマと言われる類でもなく、可愛らしい字でもなく、妙にいびつな字を書く。
丁寧に気合いをいれて書けばそれなりにそれなりだが、時間がかかるし書き損じが相当出ることを覚悟しなければならない。
普通の硬筆でそれである。況や毛筆においては。
小学生の時分お習字はかなりヘタっぴーであった。とめ、払いがきれいにきまらない。文字全体のバランスが狂っている。思い切って書けないので勢いもない。
書き初めは6年生の頃にはそこそこに書いたが、それも冬休みを3日間くらいつぶして血反吐を吐きながらお手本を写そうと努力しまくったその結果である。
そんな悪筆の私に今日お向かいの席の代理は言った。
「藤生(仮名)さ〜ん、封筒の表書き書いて〜」
「郵送ですか?」
「ううん、今日これから社長にあって渡すやつ」
「書けません」
藤生は笑顔で答えた。
終業時間5分前の出来事である。
「そんなこと言わないでさ〜。俺より綺麗な字書くでしょう〜?」
確かに。
はっきりいって彼の字は汚すぎてお話にならない。交通費領収書のサインさえ読めない体たらくである。一応それよりはましと言えよう。しかしだがしかし。貴様日常の電話メモで私の悪筆は頭に入っておろうに……。
株式会社××代表取締役○▽□△殿って白封筒に筆書きって普通筆耕屋に頼むものだろうがそれは。
「………………K次長の方が私より字綺麗ですよ?」
「次長外出しちゃった」
……最悪のタイミングで外出るなこら。
かくて藤生は泣く泣く筆ペンを握る羽目になる。
言わせてもらえば藤生にとって筆ペンというのは、基本的にベタを塗り主線を描く為の画材ではあるが、字を書くための筆記具ではない。
2枚白封筒をゴミ箱送りにし、蚯蚓が癇を起こしたようななんとも見苦しい表書きが書き上がる。綺麗な字というのは書ける人にしか書けないものだと痛感。
既に時刻は5時半。
「俺が書くより全然いいじゃん、それでいいよ♪」
そら貴方が書くよりはいいかもしれないが、だがしかしこの字で代表取締役社長殿は失礼極まりないだろう旦那。
「いいのいいの、どうせおつきあい断る文書の封筒だから」
をい!本当に失礼極まりませんがな代理!!客なめてるだろうおまへ!!
しかしいい加減疲れていた私はその痙攣蚯蚓封筒を代理に渡し、逃げるように帰り去った。派遣だからあまり残業しちゃいけないしなと自分に言い聞かせつつ。
……私が帰った後、K次長かそれか他の部の人にでも頼んで書き直してもらってくれてないかなぁ。あのまま渡してたら嫌だなぁ。かなり真剣に。

通勤電車読書で「百鬼夜行−陰」再読了。既に私の脳裏から「塗仏の宴」が抜け落ちていること判明。いや大佐のことは覚えているんだけどねぇ……
今日も今日とて歯医者である。
曜日は変われど毎週一度は歯医者に行っている。もう8月からずっと……。
しかし今日やっと、仮歯だった歯に銀が被せられるのである。これで歯医者ともオサラバさぶらぼう!
歯茎が安定するまでに間に、前歯の虫歯も削られたし、これでやっと終わりだと、そう思って私は飲み屋タウンのただ中にある歯医者に向かった。
気分は♪もう終わりだね君が小さく見える──てなものである。決別を胸に私は歯医者の自動ドアをくぐった。
午後1番に予約を入れていたため、作業は順調に進み、とっと銀が被せられあとは固まるのを待つのみ。
だがしかし──。
何故執拗に右の歯を観察するのだ歯医者。
そこは甘いモノを食べるとちょっぴりしみる危険ゾーンだからあまりしっかり見るんじゃないこら。ってそれは要は虫歯だろうが自分。
などと一人ツッコミをしていると、医者の情け容赦ない言葉が。
「来週はこっちの右の上下ね」
……はい?
上下とゆーと、最低でも2本、とゆーことですか先生。
おうなんてことだい。ちょっと待てよベイベ僕達もうお終いだったんじゃないのかい?君は僕の前歯だって麻酔なしに削ったじゃないか。しかも痛かったよディア。それでも君はまだ僕から奪うものがあるっていうのかい?
あるらしいのである。
というか藤生も自分のその歯がちょっぴり痛げなコトは知らないわけではなかったが敢えて目を瞑っていたのだが。いい加減現実認識の時期がやってきたらしい。
ふふ、来週もか……というか歯医者通いの原因となった奥歯の治療に1ヶ月半かかったから、あと2本やるならまだ3ヶ月は闘わなくてはいけないということか?
負けるな自分がんばれ……

昨日に引き続き通勤電車で「百鬼夜行−陰」を読む。「火間虫入道」を読みつつ、
「岩川って誰だっけ……」と寝ぼけ頭で思ってしまった。駄目じゃん自分。

HPリニュアル

2000年10月18日
プロバイダ変更に伴いHP引っ越し作戦に着手したのが少し前。
画像やらなんやらを用意して今日やっとトップ頁とメニュー頁アップ。頑張ったな自分。
しかしこれだけで私既に3日間も費やしてるんだよな……先が思いやられる今日この頃。
ま、メニューの画像に時間がかかったのが一番の要因と言えば要因だが。しかしアップしてから
「……文字の色、薄い?」
とか思ってどーするよ自分。もう直す気力ないよ自分。今年いっぱいはこのデザインで持たせる予定だけどさてどうなるか。トップ頁の画像はぼちぼち変えていく予定だけど。

今日はもう体調は通常。通勤電車での読み物で、今更「百鬼夜行−陰−」を読み始める。どうも電車の中で読むには短編の法が調子良さげなことが判明。長いとどうも眠気の方が勝ってしまう気がする。
今日も今日とて本屋に寄り道。「木島日記」が気になるけど面白いのかな?

貧血の秋

2000年10月16日
朝の通勤電車内でのコトである。
異変に気づいたのは乗車30分ぐらいしてのことだった。
冷えている。何故か知らんがこのいい加減十分涼しい季節に天井から冷たい空気が降りてきている。
最初はちょっと気になる程度だったが、だんだん洒落にならなくなってきた。
寒い。
鳥肌立ちまくりーの背筋ぞくぞくしまくりーの身震いしまくりーのである。だがそれだけならまだよかった。
頭痛が始まる。額に冷や汗が浮かぶ。吐き気がする。心なしか腹まで痛い。
「……藤生ぴーんち!」
心の中で思わず叫ぶ。実は結構余裕あるのか自分。
一応場慣れしていないわけではない。全く自慢にならないが倒れたことなら人生において数回ある。
こういう時は座るに限るのだが、あいにく此処は通勤電車の中。吊革にはつかまっているが、目の前のシートに座っている人間は皆寝ているし、寿司詰め状態ではしゃがむにしゃがめない。
吊革にぶらさがる右手に全体中の90%を預ける状態で耐えること約15分。何度目の前が暗くなったことか。いっそ暗くなったら楽だろうとの誘惑にも駆られたが、こんなところで倒れても世間の迷惑なので耐える。
そしてやっと到着日本橋──。
よろよろとこぼれ出た藤生はそのままホームの壁際世間様の邪魔にならないところに座り込んだ。視界がぐるぐるしている。気持ちが悪い。
このままでは会社に行けない。すがるようなまなざしでその辺に駅員を捜す。
「すみません、具合悪いんですが……トイレどこですか?」
吐こうと思ったのである。そうしたら少しましになる。
しかし駅員曰く。
「向かいのホームです。大丈夫ですか?休むならすぐそこに事務所ありますから」
……この死にそうな私に階段上り下りして地下鉄線路くぐった向こうのホームまで行けっちゅーんかい!!
行ったとも。ふらつく足で手すりにすがりつつ。
何度このまま倒れるかと思ったが人間結構気力で倒れないものである。
しかし胃の中の朝食とさようならしても気分はすぐれない。
仕方ない。もう一度反対側のホームによろよろと戻り、先ほどの駅員さんにお願いして休ませてもらうことに。
「持病とかはありませんか?」
「貧血だと思うので大丈夫です〜」
「救急車とか呼ばなくても大丈夫ですか?」
「それほどのことではないので……」
「どこか連絡するところは?」
「会社に遅刻って言わないと……」
この時点で藤生は、自分が電話をかけるものだと思っていた。その程度の体力はあったのである。携帯からかけりゃいーやと思っていた。
が、しかし。
駅員さんは
「じゃあそこの電話番号と名前書いて!」
「いやあの、自分でかけられると……」
「でも起きあがるの辛いでしょ?」
……辛いです。はい。でもな〜……あう。
かくて職場に日本橋駅から電話がゆく。

10分後
「藤生(仮名)さん、大丈夫?」
職場の先輩、来る。
あああ!そんな心配して来てもらうほどのコトでは……
「いやもう少ししたら起きあがれると思うので……」
「部長には連絡しといたから、今日はもう、会社の医務室のベッドで寝ててもいいし、起きあがれるようなら帰ってもいいから」
「もう少し休んだら多分回復すると思うんですけど」
「部長なんかさー、男の子に家まで送らそうかって言ってるけど」
ひぃいいい……許してください部長。というかそこまで死にそうじゃないんだってば……うちまで約1時間だよ仕事つまってる総合職そんなんに使ってる場合じゃないよ……
既に職場を二度変え、どの職場でも倒れかけた経験のある私であったが、そこまで親切な対応されたの初めてでしたはい。
結局駅のベッドで2時間寝込み、更に会社のベッドで3時間半寝て家に帰った。何しに通勤したんだ私。

図書館に行き損ねる

2000年10月15日
タイトルそのまま。
図書館に行って何か適当に借りようと思って爽やかに昼寝して行き損ねる。
昨晩12時間寝て、なのに何故昼にまた眠くなるんだ自分。まだ風邪がきいてる?

今日は柳田国男「遠野物語・山の人生」を読む。
友人から借りた「北神伝綺」を読んだら何となく読みたくなった為。
「神戸のおばさん」とか出てきてたっけ?と思ったが、「山の人生」読み返したらやはり出ていた。遠野の内容は割と覚えていたが山の方はあまり記憶にないのは何故だろう。

午後のことである。
東日本担当の次長が新幹線のチケットを取って欲しいという。
「東京から盛岡まで何時間かかるかなぁ?」
時刻表を取り出し東北新幹線をチェック。
「時間帯にもよりますが……3時間半?」
「もっと速いのってないっけ?」
「えーとこれは仙台から後各停だから……」
ごそごそやってると隣席の中日本担当の次長が一言、
「『あきたこまち』に乗れば速くなかったっけ?」
……次長。それは米の名前では。
「『こまち』ですか?でもあまり変わらないような……あ、でもこっちの『やまびこ』は途中駅止まらないからこれを使えば……」
「あれ?『あきたこまち』も停まらないのなかったっけ?」
だから次長それは米を食べたあとの袋がファッションバッグになるという謎の米(別に米自体は謎ではないが)では。
でも中日本担当の次長はその後も「あきたこまち」を連呼しておられた。藤生も突っ込んだんだけどなぁ一応。でも彼にとってはあくまでもそれは「あきたこまち」らしい。
米袋に乗っても盛岡には着かないだろうと思うのだが。でも米俵に乗って飛んだという伝説があるのは役小角だったっけ……?

夜は夜で、前の会社の友人と飲みに行く。
彼がやっと退職できたのでお祝いしたのだ。
私がいたときからやばい会社だったが、相変わらずというか輪をかけてやばくなっているらしい。恐いのう。
何せ社長がUFO信じてて朝礼で話す会社だったからな。うむ。

こんな夢を見た。

2000年10月12日
(注)この日記にはグロテスクな表現が含まれております。御食事前中後及び繊細な方はごらんにならないで下さい。

こんな夢を見た。
別に女が死ぬ死ぬ言うとか豚に舐められるとかいうことではない。
朝食の場である。
着替えを済ませた私はおかずと御味噌汁を用意し、ご飯をよそおうとしている。
しゃもじを右手にぱかりとジャーの蓋を開ける。ふわりと炊きたてのお米の香りと白い湯気が立ち上る。その向こう──内釜の縁にちょろりと這う黒い影を私は認めた。
認めてしまった。
かたん、と音を立てて手からしゃもじが落ちた。
てらてらと脂ぎって艶めく黒褐色の羽、忌まわしく蠢く長い触角、不吉に毛深い6本の足──。
ゴキブリである。油虫ともいう。大学時代生物の授業によれば呉器にかぶりつくのでごきかぶり→ごきぶりになったという。
その三億年の呪いを背負った悪夢の虫が炊飯ジャーの中からこんにちはしてくれたのである。
これは夢である。だから夢の中の私は「炊きあげられてもぴちぴち活きている新鮮耐熱ゴキブリ」に関しては不思議なこととは思っていない。夢とはそういうものである。否、不思議と認識する余裕がなかったのかもしれぬが。
だが、炊きたてご飯から活きゴキ出現は、夢の中の私にも計り知れない衝撃を与えた。
だが悪夢はまだ覚めない。
動転した私は食卓においてあった殺虫スプレーを炊飯ジャーに向かって噴射した。これから朝食を戴こうというテーブルに何故そんなものがあるのかは問うてはいけない。夢だからである。
しかし一瞬の殺虫スプレー程度でゴキという生き物は死なない。
ヤツは飛んだ。そして私はそれを──

夢の中とはいえ何故そんな行動に出たのかは自分でもわからない。だが普段夢など見たはしから忘れる私が今日は覚えていたのはそのあまりに生々しい感覚のためである。
呪われていたとしか言い様がない。なにか悪い物に憑かれていたのかもしれぬ。
私は、私はそれを──

とっさに掴んでしまったのである。

ちょっと内臓出てたよ。にょりってお腹から。表面と同じ黒褐色でね。うん覚えてる。

私は汗をびっしょりかいて目を覚ました。腕にはぷつぷつと鳥肌が立っていた。心臓がばくばくと鳴っていた。

それが今日という日の私の目覚めだった。
ちなみに藤生は御健勝じゃありません。
涼しくなってきた。
朝晩が冷え込んできた。
風邪をひいた。
寒くなってくると体調を崩すのは藤生の毎年の恒例行事である。歳時記に載せたっていいくらいである。
嚔から始まるそれは鼻水を呼び咳が止まらなくなった挙げ句熱を出す。
そして春になるまで小康状態とゾンビを繰り返す。完全な健康体でいることはない。
そう藤生はひよわ。
その上不摂生。
好き嫌いは多いわ睡眠時間8時間必要なくせに夜更かしするわ貧血持ちだわ血圧低いわではそら簡単に体調も崩れよう。
駄目じゃん自分はっはっはぁ。
そんなわけで今年も魔の季節に突入したようである。毎年咳のしすぎで横っ腹が筋肉痛になるから、今年は腹筋でもして鍛えておくか自分。
しかしそれでも藤生は夏より冬の方が好きである。どうせ夏は夏で夏ばてするしな。
どうぞ皆様におかれてはお体に気をつけてください。

本日相変わらず「犬神家」読書中。以前読んだのが中学生だか高校生だかそのくらいな為、覚えているのはマスク男登場と湖から死体の足にょっきりくらいだったが、今日、改めて気が付いたこと。
犬神佐兵衛って昔美少年だった上に野々宮大弐とできていたのか。
いやそれだけ。

やれやれ。

2000年10月10日
新潟に行っていた3日間の日記をまとめてアップ。
ずいぶん長い文章を3つもよく連ねてしまったことよ自分。
しかし首都圏に生息していると、地方に行くととてつもなく不便に感じ、己がいちおー都会人であったかと思う。
だってさあ。
駅前なのにコンビニがなかったり。
駅前なのに郵便局が遠かったり。
駅前なのに都市銀がなかったり。
そして今日会社帰り私を苦しめた北國銀行の看板を見かける。
何故メインで存在する銀行が北國だの第四だの大光だのさね新潟……。

本日「陰獣」読了。そして何を今更だが「犬神家の一族」を読み始める。
いやあの角川緑文庫の恐ろしい表紙が懐かしくてね……
大学時代の友人Hの結婚式である。
ヤツのことはとてもよく可愛がらせていただいた。
卒業後も私のお出かけしたい癖が出ると新潟まで遊びに行かせてもらい、旅行にも巻き込んで一緒に行ってもらった。
おめでとう、H。旦那のMさんも。ってこれ書いている現在は既に10日だが。
美容院のねーちゃんに教えてもらった髪型を30分以上かかってセットし、アオザイに着替えてれっつ式場へ。なんでそんな妙な服かといえば、大学時代のサークルが「東洋文化研究会」なる怪しげな名前だったからである。
式は長岡の「バチカンの直轄領」(新郎の言)なる由緒正しいカトリック教会。Hは一応切支丹なのである。ちゃんと式を挙げるまでに、教会で聖書の勉強をしたそうだ。偉いねぇ。タイのお寺で会った仏教徒の人に「Buddhist?」と聞かれ「Yes」と答えたことは私の胸にしまっておいてあげやう。ここに書いてるけど。
式は非常に厳かで、結婚式場などでやるのとはだいぶ違う。聖書を読み、神父さんが説教をし、新郎新婦が誓いを立てて署名し、指輪を交わす。そして祈る。
でも外国人の神父さんはお茶目な方で、所々にユーモアを交えていらっしゃったが。
式の後はホテルにて会食。ロビーで客にお色直しを手伝わせる新婦というのを初めてみたぞ私は。そしてその新婦を押しつぶしながら記念写真を撮った私にでかいことは言えないが。
しかし、「真っ赤なスカーフ」が結婚パーティーのBGMに流れるカップルなんていうのはこいつらくらいだろうなぁと思ったよ私は。旦那さんは佐々木勲ファンであった。
しかし勲やアルフィーはいいとして、「哀・戦士」ってのはどうよ君たち……。
覚えている限りのやばい箇所を抜き出しても、
「別れ歌」「拾う骨」「死神の列」「死にゆく」「血反吐はく」
……テーマは愛や希望だのだし名曲だとは私も思うが。
そんな君たちに乾杯さ。
でもよい結婚式&パーティーでした。出席させてくれてありがとうH。
今更当然だし言うまでもないことだが幸せになりたまい。

そして私は帰りの新幹線で切符を無くし、ホームから座席に戻って探そうとしたら列車が再び発車してしまうという楽しい経験をして帰宅。上野から今度は東北新幹線に乗って東京に戻った愚か者である。
そういえば前に大阪から新幹線で帰った時も切符を紛失した覚えが。相性悪いのだろうか……

浪漫と鰻手当と錦鯉

2000年10月7日
起きてすぐ朝風呂へ。温泉はこれができるからよいね。
しかし風呂の後、無料サービスの薬草茶を戯れに飲んだせいで朝からHP-200。
いや、最初、「あれ?味がない?」とか思いながら飲んでたら、後味が喉にいつまで経っても残っていて不味いわ気色悪いわ。
これまたサービスの麦茶を飲んでもなかなかなおらず。やるな薬草茶。
朝食いただいてチェックアウト後はタクシーにて「ロマンの泉美術館」なる美術館へ。
……普通つけないよなぁ、「ロマンの泉」。
庭で籾殻干しているような農家地帯に唐突に建つ煉瓦造りの洋館。
浮いている。
中に入ればそこはまさに西洋アンティーク系ロマンの世界。入り口に貼ってある館長のお言葉も謎であった。詳細忘れたが。
おふらんしーぬなまどもわぜーると動物の絵と、蔵書票がメインの展示。あとはアンティークランプにアンティークドール。
そして館長の趣味で揃えたというお土産コーナーは夢見る元乙女(しかも20年以上前の)の好みそうなろまんちっくぐっずてんこ盛り。
ちなみに館長は写真見たら結構なおっさんであったのことよ。
趣味なんだろうなぁ。ここのすべてが。それはそれで別によいのだが。

結論として色々な意味で面白かったですええ。

燕三条を再び経由し長岡へ。
荷物をホテルに置いて夕方他の友人どもと合流。
そもそも新潟くんだりまで旅行してきた理由といえば、大学時代の友人がここで結婚式を挙げるのでその式に出席するために来たのである。弥彦温泉はそのついで。
とりあえず喫茶店にてだべる。
友人K、携帯の着信すると光るマスコットの電池がすぐなくなってしまうという話題で、
「あれって敵の電波でも光っちゃうから」
……敵って誰ですか。
他の人と言いたかったらしい。普段彼女は冷静沈着な才女なのだが、眠いわけでもないようだったし何があったのか……。
それとも誰かに狙われてたりするんですか、Kのせさん。
あとは「鰻手当」「お母さん霊界新聞」等のナイスお言葉が飛び交う。
そして翌日結婚式を迎える友人夫妻の住む小千谷へ移動。
駅前に寝転がる弐匹の錦鯉(地下道への入り口)がらぶりーな土地であるがアス○ルの電波はやはり届かない。
名物「へぎ蕎麦」をごちそうになった後、新居へお邪魔。馬鹿話で盛り上がる私たちに旦那さんは梨を剥いてくれました……。
新妻H、君は妻としてそれでよいのか。
というかお邪魔して本当によかったんだかねぇ……。
駅に戻り、錦鯉と記念写真を撮って電車待ち。新婚夫妻曰く「こんなものと記念写真撮ることはもうないね」。
確かに。
しかし19時から無人駅になるってなめてないか小千谷駅……。
ホテルに戻り、再びKのキーボードをBGMに眠る。

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