電車に乗って新潟は弥彦なる土地まで出かける。取り合えずMAXあさひにて燕三条まで。ここで弥彦線なるローカル線に乗り換えだが、その入口駅構内にばばーんとそびえる赤い鳥居。
弥彦には本日の目的地である弥彦神社なるお宮さんがある。そこは越後一の宮、日本一の大鳥居があるそうな。
だからといって弥彦線入口の駅内に鳥居立てなくてもなぁ。
せっかくなんで潜って弥彦線に向かったが。
さて弥彦線であるが素敵にローカルである。
車両は2両、しかも今回乗ったのはワンマン。雪深い土地のことなので車両のドアは客が開けねばいけない。ちなみに私のＰＨＳはこの駅の時点ですでに電波が通じていなかった。
弥彦、いわずもがな。
電車の窓から件の大鳥居が見えるのだが、それより高い建物がその付近というよりその集落にない。ちなみに鳥居の高さは約35m。なんと見晴らしの良い事よ新潟県西蒲原郡弥彦村。伊達に電波が届かないわけじゃないな弥彦村。
しかし同行した友人ＫのＫ○Ｄはかろうじてアンテナが立ってたのにねぇ……。駄目じゃんアス○ル。
さてそんなこんなでようやっと弥彦駅到着。
神社を意識したなかなか渋い駅である。古いし。しかし駅に手水場がついているのはよくわからないが。参道入る前から清めておけということであろうかさすが越後一の宮。
ゆるい上り坂をうだうだと上ると弥彦山をバックに従えた神社に到着。
弥彦神社、ただいま11月の菊祭りを控えてあちこち半工事状態でおおわらわ中。
いんだけどね、別に。とりあえず家内安全のお札を購入。あとは神社恒例絵馬冷やかし。
ついでに弥彦山に登ってみる。ちなみに神社からロープウェー乗り場まで530m緩やかな上り坂。
山に向かってどこまでも緩やかに傾いているか弥彦よ……。日頃運動不足の文化系の身にはなかなか堪える土地である。ぜいぜいいいながらロープウェーに乗り込み山頂へ。登山道もあったがそんなものを登る体力も気力もどこにもない。
山頂からは日本海と佐渡島が見える。残念ながら夕日には少々早い時間帯であった。
だが佐渡島より気になったのは、展望台やや下からそびえ立つパノラマタワー（正式名称不明の為仮称）である。
所謂３６０°展望台。展望室が回る。まあそんなものだろう。だがしかし。
ぐるりーんと回りながら登っていってまた降りてくるっていうのはどうよ弥彦パノラマタワー（仮）。
見えるのは寝ぼけた波の日本海とどでーんとした佐渡島だけじゃんパノラマタワー（仮）。
そして有料なのよねパノラマタワー（仮）。金払って乗る価値も金かけて建設する価値も本当にあるのかパノラマタワー（仮）。
友人Ｋ曰く「日本三大無用の長物認定ーっっ」
ちなみにそのうちの一つは熱海MOA美術館のエントランスエレベーターだそうな。後一つはそのうち見つかるでしょう。きっと。
しかしそのくるーんと回ってる展望台にまばらながらも客がいるのがちゃんと見えたんだよねぇ……。
タワーと味噌おでんを堪能してロープウェー駅に戻ったら鳥取西部地震のニュースが電光掲示板に流れていて吃驚。被災者の方々にはお見舞い申し上げます。
宿に戻って温泉入って懐石風料理食べて温泉入って酒飲んでつまみ食べて、友人の叩くノートパソコンのキーボード音をBGMに眠りに落ちる。何故彼女がそんなものを持って旅行しているかはここに詳しく書くのは差し控えておこう……

今日も仕事先の我が部は研修。
男性社員は半年前に異動してきた部長が一人いるっきり。
しかし支店からの電話は相変わらず容赦なくかかってくる。
『○○次長、いる？』
「うちの部は今週いっぱい研修なので、本社には来週火曜日出社になります。」
『え〜？××君は？』
……だからうちの部員は研修だっつーに。
「××も研修に出ておりまして……」
『誰か他にいないの？』
「△△部長なら……」
『△△部長じゃあなぁ……いいや。じゃあちょっと質問なんだけどさぁ、×○で■△％＊が＆＃なんだけど￥♪＠ってどうすればいいの？』

知るか。

私は庶務のねーちゃんなのである、派遣なのである。お仕事はＯＡ操作なのである。その割に雑務もたくさんしているが。
そんな人間が持株会社に関する質問をされても、何を答えろと言うのだねブラザー。
というか何を思ってよりにもよって私のよーな留守番ねーちゃんに専門的なことを質問しようと思うんだいベイビー。
なんと申しますかこう、溺れる者は藁にもすがる？
「ちょっとわたくしではわかりかねますが……」
他に何が言えようか。
『ああやっぱり……？』
予想ついていたなら質問しない方がお互い無駄な時間を費やすことは無かったと思うのだが如何かなハニー。
急ぎなら携帯に連絡とろうかと言ったら不要だと言うし。来週でいいなら私に聞くなというに。
そんな感じの電話が本日３件。
気持ちはわからないでもないんだが。
すまん。私外務員資格さえ持ってないんだ。

明日からは新潟へ旅行。友人の結婚式ついでに温泉にゆく予定。のんびりしてこよう……

会社帰りに美容院に行く。ほぼ半年間伸ばしっぱなしの髪を、友人の結婚式もあることだし、いい加減カットするためである。
ここの美容院は二度目。前に常連だった店が移転してしまったので、新規開拓した所である。
カットも丁寧だしスタイリストも若いしブローの前にマッサージもしてくれるのだが。
だがだが。
シャンプーが自動なのである。これが……きしょい。
顔面に水飛沫避けフードをかぶるあたりからして閉所恐怖症の人間には無理だろう、あれは。
そして髪を洗う為の強めのシャワーの感触が背筋にぞわぞわ。鳥肌立ちっぱなし。髪を触られるとぞわぞわするという人がいるが、確かに頭部はわりと敏感な箇所なのねと思い知らされる。指で洗われるならここまでチキンにならないのだが。
心の中で「出してくれええええ」と絶叫させていただきました。いや封印されているのは顔だけなのだが。
結局髪を15cm程度切ってあらすっきり。だいぶ頭が軽くなった。ついでにスタイリストさんに自分でできるアップのアレンジを教えてもらう。
方法と理屈はわかったが本当にできるのか自分？！
まあ明日練習してみよう。

本日春陽堂乱歩文庫「陰獣」を読み始める。
どーも既読作品な気がする。まだ導入部だし確証はないが。だが同時収録されている「覆面の舞踏者」って見たことないタイトルだし。他の出版社の短編集に入っていたのを読んだのかもしれない。
しかしカバーなしには婦女子には読めないタイトルだ。表紙も怪しげだしなぁ。

本日、週末の旅行の支度でスーツケースを引っ張り出す。別に国外逃亡するわけではなく、服が皺にならないでかい鞄が必要だっただけ。靴も入れるし。
そんなわけでケースを開けたら、前回旅行した泰国のパンフレット類を発見。
その中の機内販売のパンフがなかなかいい味を出していてしばし笑う。
飛行機はCATHAY PACIFIC。往復とも香港での乗り継ぎ便で、同行した飛行機嫌いの友人は離着陸の度に顔色を悪くしていた。そう、CAHTAYは本拠地が香港なのである。それが無理やり中・英・韓・日の4ヶ国語でパンフを作っている。
はっきり言って、力技。

例1.
「女性用クールウォーター。すっきりしたいい香りで、水面にあたった太陽光線のように軽やかであり」
あまり軽やかに思えないんですが太陽光線。日の光とか言ってくれよぷりぃず。
例2.
「男性用クールウォーター。爽やかで、清清しい香り、琥珀色ぽくて男性には相応しい」
……何故にいきなり若者語かきゃせいぱしふぃっく。
「っ」をいれろせめて。というか何が琥珀色ぽくて男性に相応しいんだいったい。すでに言語崩壊。
例3.
「愛のプレゼント、純粋な果物ジュース、外側をやわらかい白いクリームまたは牛乳チョコレートで包んでおり」
ジュースをどうやってクリームで包むんじゃい。
商品を見るに、ホワイトチョコとミルクチョコでフルーツをそのままコーティングした菓子のようである。中国語の「水果」を「果物ジュース」と訳したようだが、それは果物のことだというに。訳者の母国語何語だいったい。
牛乳チョコレートも何か間違っている確実に。
例4.
「緑茶。ナチュラルな香りで、東方の趣と異国ムードに満ち溢れ、ロマンティックな夜で、なかなか美味しいものを味わいます。液状　50ml」
さあこの商品はいったい何でしょう？ちなみに以上で説明文全文掲載。
お茶じゃないのである。エリザベスアーデンの香水。どこかに香水って説明いれてくれ……
しかしそれにしても、香水がロマンティックな夜なのか？そして香水で誰がなにをどう美味しいものを味わうのだ？！しかも「なかなか」って何だなかなかって。

以上、6品しか載ってないパンフより抜粋。
しかも裏の購入表を見てみれば、
例4にあげた香水の欄には、
「Elizabeth Arden緑茶ｭｻ」
……文字化けか？
例3のチョコは「チョコレート果汁」。
カカオの汁か？きっと美味くないぞそれ。

以上、香港あたりの日本語ならまだまっとうかとも思ったがそうでもないということ判明。それともタイ行きの便ということがいけなかったのか？
ちなみにタイのホテルのパンフレットの日本語は更にイカシていたがさすがに持ってくることあたわず。
覚えているのはルームサービスのジャパニーズフードにあった「シケモノ」と「サカナヤキ」くらいか。漬物と焼き魚と思われる。
奥が深いやね、日本語は。

本日「西の善き魔女」＜外伝2＞読了。また挿絵が変わっていた。まーいいんだけど。ヴィンセント好きだったので出てきてうれしかったかも。明日からは乱歩に戻るかな。

大学時代の友人と久しぶりに集まって、結婚する友人へのお祝品を買いに行く。
祝いの品はどんなものがよいか、あらかじめリクエストは聞いておいた。
しかし、その返答は、
「あやしいもの。くれた君たちを恨みそうなもの」
……本当にそれでよいのか貴様は。
しかしいくらなんでも結婚祝いなのであやしすぎる品は送れまい。うちの近所のエスニック雑貨屋に夜中家の中を歩き回りそうな確実に呪われている木彫りの置物ならないでもないのだが。
てれてれデパートを歩き回った結果、タイランドの木彫りカエルに落ち着く。
膝を抱えて座り込んだぽぉずがなんともらぶりぃ。新居の部屋の隅に、他人には背中を向けた格好で置いてほしいものだ。

出してくれ。

私は朝から胸中で悲鳴を上げていた。
通勤電車の中である。
京成線の通勤特急はみつしりと混んでいた。
吊革にも掴まれず立っているので妙に体勢が不安定である。両足を降ろしてはいるものの、右足にはほとんど体重はかかっていない。
体は斜めになったまま固まっている。
電車が揺れたら倒れるかもしれない。
だが電車は揺れないのだ。
何故ならそれは──別にリニアモーターカーだの新幹線だのに乗って通勤しているというわけではない、単に、止まっているからなのである。
だがそこは駅ではない。
駅と駅の間である。
先行電車が自動車と接触事故を起こしたとやらで、停止信号が着きっぱなしなのだ。
読みかけの狂骨を持つ手もぷるぷる震えてくる。
車内はこの季節に気でも狂ったかクーラー前回で冷え切っている。何故に真夏のラッシュタイムに冷房をかけずに今かけるのか私には理解できない。
だが何より私を苦しめたのは──前に立ちはだかる中年の男であった。

──ワキガがきっついんだよう。
そのまま電車は１５分程止まっていた。どっとはらい。

本日文庫版「狂骨の夢」読了。明日の午前中に図書館に行こう。

平日である。
動物園ではない。
そう、競馬場である。

大井競馬場トゥインクルレースとゆーヤツである。隣の席の代理に「競馬いったことないんですよ〜」と言ったら連行された。
思ったより広い。
トラックはそりゃ広いとは思っていたが、外周がでかい。もっと観客席は狭いのかと思っていたのでちょっと吃驚。
敷地内に予想屋さん店だの競馬新聞屋だのフードブースがあるのはまあよいとして、何故にステージ……見る（聞く）人間いるのか？

馬券の買い方から教わりれっつちゃれんじ。
割と当たりやすいというワイドっつーやつである。よーは１〜３位のなかの二つを当てりゃ金をくれるらしい。
競馬新聞を見つつ、てきとーにマークシートをぬりぬり。貧乏な私は一つの組み合わせにつき掛け金１００円。隣の代理の十分の一にもならない金額だが気にしてはいけない。ヤツは証券マンだから金持ちなのだ。
しかしうわあ高校入試以来だマークシート方式。カードを取りすぎたので元の場所に戻そうとしたら代理曰く、
「いや、そういうものは落としておけばいいから」
……そうなの？
まあ確かに地べたにはハズレ馬券もマークシート用紙も一面に落ちてはいる。
エコロじゃないな、競馬。

結果？
２レースやって１こ当たり。
１０００円使って７５０円バックである。まあこんなもんかー。
しかし代理曰く、
「次は定時であがって行きましょう。あと２レースは行けます」
いくらつぎ込むつもりだ君は。
妻子は家で泣いているぞ。でも株でもうけているからいいのか？

昨夜、なかなか寝付けなかった。
これは非常にまずい。
何故なら藤生は基本的に寝付きはよいのである。特に最近疲れているから眠るときはことんといくはずである。
時刻は深夜二時。既に布団に入って１時間近く経過しているはずなのに何故寝付けぬ。
体は疲れている。かなり疲労を訴えている。
しかし眠気はやってこない。目が冴えている。
まずい。
一家総不眠症はなんとも避けたい。
違うよな？違うよな？
最近夜更かしすることが多いからちょっとばかし睡眠サイクルが狂っただけだよな？

おかげさまで今朝は地獄のように眠かった。仕事に行っても使い物にならんよ〜と思いつつ席に着くが、そういう日こそ忙しいというのが人生の法則。
眠気覚ましに買った缶コーヒー飲む暇もなく、２時間後にプルタブを開けたそれは素敵に冷めていた。
今日はしっかり寝ないとねぇ……

京極お友達のご提案で、京極夏彦のリトグラフ展を銀座に見に行く。待ち合わせ場所は４丁目交差点三越前。
藤生、いきなり遅刻。
他のメンバーは喫茶店に移動していた。携帯で連絡を取って迎えにきてもらうが更ににすれ違い。
よーやっと会えたが、皆様どーもご迷惑をかけてごめんなさいでした（深々）。
コーヒーを飲んだ後、画廊へ移動。
しかし、この時点で誰も画廊の正確な場所を把握していないことに気づく。
ナイス私たち。
しかし、コンビニにて雑誌を見て住所を確認、無事にギャラリーに辿り着く。
真っ黒なウィンドウディスプレイに「百怪図譜」の文字。一発でわかる。誰からともなく、
「うわ恥ずかしい……」
の声が。
ちなみに文字は白くて怪の字だけ赤かった。如何にもである。
そしてばばーん！と飾ってある作者近影。いや悪いとはいわないが。
中に入るともう一枚作者近影。構図同じで目線だけ違う。流し目。いやだから悪いとは言わないが。
開催にあたってのコメントが寄せられている。水木先生に綾辻行人、明石散人、小松和彦に佐野史郎。いやあなんと申しますか非常に納得のいく。
で、リトグラフであるが。
これは鉛筆画をそのまま版にしたのであろうか。
ベタな背景に対し「とーとつな鉛筆画」という印象。
「怪」のオープニングに出てくるあの絵を一体づつ版画にしたのかと思っていたら、どうやら違うらしい。姑獲鳥とか妙に恐くなってるし。絡新婦も恐かったなあそういや。
野寺坊はちょっと可愛くて好きかなと思ったりもしたが。

ここで一つ教訓。
展覧会で迂闊に絵にツッコミを入れることはやめましょう。特に絵を売るギャラリーでは。
係員が話しかけに来ます。

メンバーのひとり、某さんは美術学校卒でいらっしゃる。故に技術的な方面にお詳しい。そういう目で絵を見ておられる。
彼女はなにげに口走ってしまわれた。
「Ｃマル」
……技術的評価、である。
すると背後からいきなりギャラリーの係員がいらっしゃって、
「この絵は京極先生もバックの色を何にするか苦労なされて……」的な話をおはじめになった。ぬっぺっぽうの絵の前であったと記憶している。
宮部みゆきや高橋克彦や明石散人なんかも何点かお買いあげになってるそーで。
とりあえず不穏なことをぶちかますこの小娘どもの口を塞ぎたかったのであろう。
すまん、係員。
しかしあとでその某さんも仰っていたが、豆腐小僧の持っている豆腐のパース狂っていた気がするんですが……

でも文庫の表紙のフィギュアは凄かった……張り子とは思えない。真剣に。
姑獲鳥の血管が青く透けて見えるのが恐い。エロティックとか批評しているのをどこかで読んだ気がしたが、純粋に恐かった（笑）
だが、狂骨も首筋に血管というか筋浮き上がっているし、魍魎の囓っている死体もなんとなく血管が透き通っているしで、この作者、ひょっとして血管ふぇちでいらっしゃるのかなどといらないこと考えてみたり。

教訓、ファンはファンらしく素直な目で見ましょう。

いい加減タブレットを買わねばと思い、会社帰りに秋葉原にゆく。
無駄に６色もそろえてくれているがワコム、WINユーザにはどれを合わせてもミスマッチなので結構どうでもいいぞワコム。というかモニタが前のＰＣについてた富士通で本体＆キーボードがこんぱきゅーな私のパソコンラックには、どのカラーを持ってきても似合わないこと必至。
結局無難なグラファイトを選ぶ。一番地味だしね。
しかしマウスいらないからタブレットだけでもう少し安いのだしてくれ。頼む。
そしてよせばいいのについゲームソフトコーナーにふらりと迷い込む。
ああ、ペルソナってＰＣ版出てるんだへー偽典もあるんだわーそーいややりたかったんだよなー。
間の悪いことに私の財布の中には降ろしたばかりの給料が入っていた。
そして今さっきまで悪魔と闘っていた自分がここにいる──。
システムには慣れないわ反応悪いわマップろくに見ずに動いていたわで、オープニング見るまでに２時間かかった私は一体。
明日からちゃんとマッピングして動こう。くそうオートマッピング機能ないのかよ……。
そしてあまりはまるなよ自分。
うちの親はテレビゲームは無条件で排除にかかる人だからねぇ。ふう。

今日は仮歯を入れて参りました。
一発では変換してくれません「かりば」。
まあそんなことはいいのですが。

今通っている歯医者は割と丁寧である。しかし今日は歯茎を削られたが。その挙げ句
「かなり出血しましたね〜。よくブラッシングしたほうがいいですよ」
などと追い打ちをかけてくれたが。
でも、まだましである。
義務教育を受けていた頃、歯医者というのは楽しいものではないがそう恐怖の対象ではなかった。
何故か？毎年の検診で、そう手遅れになる前に虫歯が発見されていたからである。少なくとも、歯が痛くて眠れず、赤い目で歯医者へ駆け込む……などということはこの時代にはなかった。
まだ。
歯医者を敵として認識したのは大学の時である。しかし痛くなるまで放置しといた虫歯を治療されて恨むのは筋違いといえるかもしれない。というか筋違いだな自分。
だがしかし。私が行ってしまった医者は、非常にいけない医者だったのだ。
それはたまたま同時期に歯を患っていた父が通っていた近所の医者であった。小学生の頃通っていた歯医者はその頃既にじーさんだったのだが、代替わりもせずじーさん先生がやっているというので、手元不如意なんではという恐れが私を新規の医者に走らせた。
……だがそれは新たな恐怖への入り口だったのだ。
父に教えられていった歯医者は空いていた。待合室に人気はなく、予約もしていないのにすぐに診察室に招き入れられた。
この時点でかなり不吉である。
医者は女だった。おばちゃんであった。助手のおばちゃんと世間話を賑やかにしながら私の口を覗き込んだ。
「痛いのイヤなんで麻酔効かせてください」
私は前もってそう言った。これは非常に正しい選択だった。しかし、医者選びの時点で間違えているので、このあと起こる悲劇をくい止めることはできなかった。
おばちゃんは患部を覗き込み、おもむろに歯医者の使うあの先っちょの曲がった針のようなものを取り上げた。
そして。
「ここ？」
と。
前日の晩から疼きっぱなしで、いい加減鎮痛剤の効き目も切れてきた深い虫歯の、神経むき出しの穴を、
つん♪
とつついたのである。
これは痛い。
原田宗典のエッセイで、御幼少の砌、同じようなことを歯医者にされ、とある悲劇が起こってしまったエピソードがあったが、これは真剣に洒落にならない痛さなのである。
針先が触れるのは一瞬。だがその後、残響のように痛みは頭蓋骨の中で暫く響き続ける。
そしておばちゃん医者宣わく、
「あら、痛かったのね」
ったりまえじゃああ！！！！！！
痛み始めたから来たと前説で言ったじゃろうが！！触って痛くない筈がなかろう！！！！！！！
……思い出したらテンションがあがってしまった。文体を戻そう。
おばちゃんはその後、麻酔注射こそしたものの、私の口内を血塗れにしてその日の治療を終えた。銀を詰める段階になって、型をとって作った筈のそれは私の歯に全然はまらず、無駄足を踏んだ日もあった。
隣で治療されてるおっさんが、削り終わった後、
「なんであんなに痛くするんだ」
と抗議したら、
「だって痛いって言わなかったから」
とおばちゃんに平然と言われているのにも出くわした。
普通表情から読みとるだろう、普通……。
このおばちゃん歯医者に地獄を見せられたその日から、歯医者のドアは悪夢への入り口となった。
来週の月曜日も歯医者……がんばれ、自分。

そもそもは八重洲アルファランドに行くのがメインだったのである。
前のＰＣから使っていたタブレットはシリアル接続なのである。しかし旧ＰＣはハードがイカレてしまったので、粗大ゴミの日におんもに置いておいたら回収車が来る前に誰かに連れ去られていた。立ち上がらないんだけどなぁ。
閑話休題。そんなわけで２ヶ月前に本体を買い換えたのはいいのだが、こやつはＵＳＢポートしかないのである。ＵＳＢ−シリアルの変換アダプタを買おうかと思ったら、結構よい値段なので一気にイヤになった。というわけでの新タブレット購入なのである。既にマウスではお絵描きできない体になっているので仕方がない。
しかし、八重洲アルファランドは思ったより狭かった。
そして、ないぞタブレット。
Ｍａｃコーナーにはあるんだけど何故Ｗｉｎの方にはないの教えてあんぱんまん。
ぐれてそのままもう少し先の八重洲ブックセンターへ。行く必要などこれっぽっちもない。しかしなんとなく足はそっちへ向かっている。
しかしなんでこの本屋は妙に「健脚」にこだわるのだ。店内をくまなく本を探して歩くと５０００歩だそーで、足の健康のためにあるけとご丁寧に看板が出ている。階段にも歩いて登りましょうな旨の札がさがっている。
別にそっとしておいてくれと思いつつぶらぶら。ただし財布に入っている金はあくまでタブレットの為の金なので本には費やすまいと固く誓う。それに鞄の中では「狂骨」がおもーく自己主張している。そう、今のところは本はいらない、そう自分に言い聞かせる。
５Ｆの文庫コーナーで、今週の文庫売り上げＢＥＳＴを見る。１位は藤沢周平。京極の狂骨は２位。べったり平積みで置いてあるのにねぇ。
でも３位が「激情たぎる女薫の旅」（タイトルうろ覚え）とかなんとかゆー、せくしーねーちゃんの絵が表紙を飾ってらっしゃる御本であらされたので、これには負けないでくれてありがとう京極先生という感じだった。いや礼をいう筋合いではないが。というか言われても嬉しくないだろう京極も。

大学からの友人と上野に行く。目的は科学博物館の「ダイヤモンド展」と西洋美術館の「レンブラント、フェルメールとその時代」。
国立博物館ではエジプト文明展だし東京都美ではインダス文明展、上野、その手の客で大入りである。
とはいえ今日は台風が近づいていることもあってそうは人出はなかったようだが……。
最初に混みそうな「ダイヤモンド展」に入る。最初は科学的なところから入り、人間のダイヤモンド利用の歴史にきて、最後は宝飾品てんこ盛り。
最初の方はカップルできてもよいかもしれないが（でも地味だが（笑））、後半は男性は辛かろうと思った。
ガラスケースに貼り付いて離れない女性のなんと多いことよ……って私も女性なのだが。でも凝視したまま動かないお方というのは本当にいた。これが宝石の魔力というものか。
しかしげーじんのセンスはわからないと思ったのが、カルチェデザインのワニネックレス。
でかくて太くてリアル。色違いの弐匹のワニが首をぐるんと取り囲むデザインである。ワニの鱗というかあのゴツゴツが一つ一つ宝石。
お洒落なんですか？それは。
私のような庶民にはわからん。
隣に並んでいる蛇ネックレスも謎だったが、ワニの方が強烈。
そしてもう一つ笑ったのが、クロムハーツの展示ケース。
いかにも博物館コテコテなガラスケースの中に敷き詰められた薔薇の花弁、真ん中に立つ黒い十字架。
浮いてるんですけれど、他の展示物に比べて格段に。
そもそも科博がクロムハーツに出展頼んだのはなぜ？若者に人気だから？それで若人にアピール？
友人としばし首を傾げる。
目がくらんだあとはレンブラントへ。
思ったより展示数が多くて嬉しかった。チケット１３００円だしなぁ。
ネーデルラント絵画は好き。花の静物画はあの虫の付き方がどうも好きになれないが、風景画は好き。レンブラントの、あの暗いなかにばしっと光があたって浮き上がる人物の描き方も好き。
「放蕩息子の帰還」とか見たいけどやはり来ないか……。

本日の読書は宮田登著「江戸の小さな神々」読みかけ。土左衛門まで神様に仕立て上げて願掛けちゃうってなんだかなぁ。

ケーブル工事が今日来て、これでネットがケーブル経由で出来るようになった。
さらば１万近い電話代……
深夜はネットできないからテレホは加入していない。そのため、タイムプラスは入っているが、割といい金額をＮＴＴには払っていたのである。
しかしこれで電話料金関係なし繋ぎ放題。
ありがとうケーブルＴＶ。
しかし、説明にきたおっさんは「ＩＣＱとチャットはできません」と言っていたのだが、実験してみたら出来るんですが？
Ｑは2000をダウンロードするはめになったが、どうせ繋ぎ放題だし速いのでそう気にすることでもない。
とりあえず１ヶ月間はモニタ期間で設置料のみ。
せいぜい繋ごう……

表紙が丸まってくるんですけど。
いやまじ。
カバーがカールしてくるんですけど。
いやほんとまじ。
挙げ句の果てに電車でつり革につかまって片手で読んでたら取り落としてトイメンの人の膝直撃なんですけど。
いやそれは朝っぱらから私が寝ぼけていたせいでもあるのだがだがしかし。
重い。
というわけで「狂骨の夢」読書中。
読み応えがあるとも表現できるが。でも粗筋とうに頭に入ってるのだが。
関口君ファンの友人は狂骨と姑獲鳥が一押しらしい。でも私は真言立川流を知っていたので、旗ちゃんの夢がわかっちゃったのがちょっとなぁ。

明日から三連休。
とりあえず本の積まれた部屋を片づけよう……

昼休み、今日も血迷って本屋に行く。
東京駅のさくらやでＬＡＮボードの相場を見るため、外食したのが運の尽き。よせばいいのにふらふらと新刊書コーナーへ。
そうか、出たのか、狂骨……。どうりで弁当箱のような文庫本が積んであると思ったが。
というわけで、京極夏彦著「狂骨の夢」購入。
ノベルズ版も持っているがそれでも買ってしまうのはファンの性というやつで。
しかし、買ったはいいが私の小さなハッチポッチステーションのバッグからはみ出るぞ狂骨。蕎麦屋のカウンターで邪魔だぞ狂骨。
一体鉄鼠はどうなることやら。魍魎も２冊に分割するのかと思ったらしなかったし。
相変わらず京極せんせは改頁に改行が来るレイアウトを貫いているようだが、それに凝るより早く陰摩羅鬼出してくれ頼むよう。
しかし４００枚以上加筆訂正だそうなので、暫くノベルズ版と比べながら読ませて戴こう。

ところで今日の怪しげなタイトルであるが、狂骨のラストで京極が仕掛けた荒技といえば読んだ方はおわかりかと思うが。初めてこれを読んだ時、この芥川の幽霊のような凶悪顔のオヤジが♪ナンダコリャ♪ってそれこそなんですかー？！と思わずビジュアル想像してしまったので。
一人で暫く笑ったなぁそういえば。
そういえば最近宙の防人教育していないから、久しぶりに狂骨ネタでも仕込んでおくか……

月曜日である。
朝である。
雨である。
しかも昼には歯医者がある。
……これで会社に行きたいと思う人間がいるであろうかいやいない（反語）。
月曜日はただでさえ電車が混むというのに、その上雨とは……乗車率と社内不快指数はますます上昇し、貧血発動率も比例して上がっていく。
真剣に途中で帰ろうかと思ったが、今日は歯医者に行かねばならないので帰るわけにもいかない。
おうち帰りたいよう。

２時、仕事を抜けて歯医者へ。助手のねーちゃんに「今日は時間がかかりますから」と宣言される。
ちょっと待て。
前回の予約の時そんなこと言われてないぞ。
歯の神経を抜いた穴を塞ぐ作業。痛くないはずなんだが、はずなんだが……助けて。
そしてさらに「あとこの歯の悪い所削っちゃいますから」。
……もしもし、一番最初に麻酔かけて削りまくったあれは、神経掘っただけなんですか〜？
神経はもう通っていないから痛くないのだが、ないのだが……生理的にあのキュインキュインいう音と振動が駄目なんじゃああ！！
３時までの１時間で、この日のためのＨＰすべてを使い果たす。会社に戻った自分は抜け殻でしたはい。

抜け殻なのでろくに本読まず。市東亮子作「やじきた学園道中記」＜９＞購入。
とっとと「アナン」読み終えて「退魔針」にかかりたいところであるが。
しかし私は怪談噺は好きなんだが大宇宙の神秘のパワー系になるとどうも退く傾向があるなぁ。「新・耳袋」でも＜４＞はちょっとイマイチだったし。

来月友人の結婚式があるため、着ていく服を見に行く。
招待状には「アットホームな感じにしたいので平服でお越し下さい」とあるが、平服というがどの程度が平服なのであろうか。
振り袖とかドレスとかはやめろということであろうが……かといってジーンズはまずかろうなぁと思うし。
しかし本人からのメールによると、「いっそうちのサークルのメンバーだけ仮装しない？」
ちなみにうちのサークルはその名も東洋文化研究会という（しかしその中身はお遊び）サークル。学祭りはチャイナ服なども着た。そういう真似を再びしろというのかべいべ。
とりあえず近所のエスニック雑貨屋に行ってみる。
アジアっぽいワンピとかジャケットとか結構可愛い。
店の人が進めてくれたのがシルクのアオザイ。チャイナドレスより体型がカバーできるし、下がパンツなので安心して着られるのでこの辺でいくか？
現地の人は体にぴったりさせて着るのがセクシーらしいが、そんな状態で着る勇気は私にはない……。

本日はぼーっとしていたのでろくに読書はせず。「TRICK」の公式メールを掲載しているＨＰを教えてもらったので、そこで全文を読む。私が登録したの＃９からだしなぁ。
私がこのドラマを見始めたのはミラクル三井編からだったのだが、ちょっぱなの展開が「消えた村」。
………………宴の支度？蛇戸村？
ちなみに友人談によれば、最初の母の泉編は「魍魎の匣」の御筥様らしいし。
でも何が気に入ってるって、矢部と石原の刑事コンビなんだけどね……（笑）

本日祖父の墓参りに行く。
何故こんな中途半端な時期かというと、車を出す人間の都合がつくのが今日くらいだったから。９／２３は現在我が家で唯一運転ができる兄が来られないらしい。
墓地があるのはPHSの電波も届かぬ千葉のド田舎村。ぶらぼう。しかしそこは我が家から車で三十分以上一時間未満の土地ではあるが。
祖父は死にたてぴっちぴちなので、新区画に新しい墓が作ってある。新しくてぴかぴかなせいで濡れた御影石の階段で滑ってこけて腰まで打った。寝ぼけてやる気ない態度で墓参した孫に怒りを覚えたか祖父よ。すまぬ。
しかし旧区画は素敵である。鬱蒼とした竹藪に面し、苔生した墓石とわけのわからない石仏が土に直接立っている。
出そう。
というか、この辺、土葬。
かろうじて解読したとある墓碑には寛永○年との文字。雨のせいか土が軟らかく、一歩ごとにサンダルが地面に沈むのが恐怖である。
まあ常識的に考えて踏み抜きはしないであろうが。そもそも興味本位でこういう場所を歩き回るな自分。不謹慎だぞ。でも怪談とか好きだからね……。
その後親戚宅を３件回りファミレスで昼食をとり生協で買い物して帰宅。しかし田舎の家というのは敷地は広いわ建築は立派だわ車は一人一台持ってるわ。
……しかしPHSのアンテナは立たないのよね。
今日は稲刈りをするつもりだったそうだが、朝大雨が降ったので中止とのこと。私たちがついたころには降っていなかったが、地面が柔らかいと機械が田圃に入らないらしい。農家も大変そうだ。

その後昼寝してたためろくに本は読まず。「アナン」上巻読了。今回は超常感動路線か飯田。いや超常なのはいつもだけど。
今この日記を書いている背後で映画「リング」を放映してる。
そういえばこれの原作、いきなり「らせん」を読んでしまったため（図書館にたまたまそっちだけあったから）、改めて「リング」を読んだ時全然全く恐怖を覚えなかったという。だって「らせん」に「リング」のあらすじ全部載ってるんだもんさ……。

昨日は部内のボーリング大会＆飲み会で深夜帰宅。そのままネットを繋ぐ気力もなく眠りに落ちたため日記はナシ。

しかしボーリングなぞ高校生以来な上万年運動不足が祟って、本日腕がだるくてだるくて……２ゲームしか投げてないんだけどねぇ。スコアは昔と変わらず低かったというか、１ゲーム目の前半はストライクだのスペアだの決めていたのに、時間がたつにつれてどんどん弾が曲がるようになっていったのは疲れが腕に来るのが早すぎということでしょうかやはり。トシじゃのう……

本日は通勤電車の中で森博嗣「魔剣天翔」読了。エンジェル・マヌーヴァという響きがよい。た。行きの電車中の寝ぼけた頭＆みつしりした劣悪な環境では、脅迫文の中の名前は読みとれず。考える気力もないし。誰かわかった人いるのかな。
昼休みに薬局に行ったついでに本屋を覗く。よせばいいのに。
菊地秀行著「退魔針」購入。マンガ読んだってばさ自分……絶対そのうち図書館に入るってばさ自分……
でも菊地の本を買うのは久しぶり。バンパイアハンターＤの「蒼白き堕天使」以来？（しかも１巻）
さて今日は金曜日だから２３時にはネット切って「TRICK」見ないと（テレホ加入していないので使わない間は切っていないと洒落にならない）。
あの妙に京極夏彦に影響を受けてるドラマをね……