ことだま考

2003年8月26日
言葉には力があるという。言葉=物や事をあらわす単なる記号ではなく、神秘の力を宿すというのである。例えば祝いの言葉を述べる、言祝ぐという行為は、めでたい場でめでたい言葉を述べることにより、言葉のミステリアスな力を借りて更なるめでたさを呼び込むということだそうな。
そう考えれば、普段こうして口に出して言葉をつむいでいるのは、実は非常にマジカルな行動なのである。
口に出した事は本当になる。
なので迂闊な言葉は口にしてはいけない。
ここで例を二つあげてみようと思う。

5/24の日記で、藤生は変化朝顔の出物を「サヴォナローラ1号」と命名した。サヴォナローラとは15世紀のイタリアに実在したドメニコ派の僧侶である。異端の罪により火刑に処せられた。
出物は枯れた。前の日記でママンがぶった切ったことは述べたが、それだけなら枯れることもなかったはずなのだが、あの日の前日は台風が通り抜けた日であり、屋外においてある朝顔の鉢の土を大粒の雨が掘ってしまい、出物朝顔の根が露出していたようなのである。台風一過の晴天のもと、サヴォナローラと名づけられた朝顔は当然干からびた。
友人は皆言う。
友:「名前が悪すぎるよ。火刑だし」
友:「絶対生涯をまっとうできない名前じゃん」
私:「だって立派な異端になるようにって思って〜〜じゃあフス1号ならいいの??」
友:「それも処刑されただろーが!!」

というわけで来年出物が出たら名前は「ルター1号」になるらしい。当初は異端だったがついにプロテスタントになりあがったしな。

そして、もう一つ。
ことの起こりは土曜日の夜にさかのぼる。
藤生はその日、Rんのさんと佐倉の変化朝顔展&成田山参拝ツアーに行き、夕食を八千代の居酒屋で食べていた。
そしたらとれたのである。歯の詰め物が。
日曜は歯医者は休み。月曜日、藤生は厭々会社の近くの歯科に電話をかけ、今日の夕方16:30に予約をとった。それが直近の予約可能時間だったのである。
仕事は17時まで。しょーがないので藤生は16時で会社を早退して歯科にいくことにした。上司T次長に
「すみません、今日歯医者の予約が16:30になっちゃったので16時に早退したいのですが――」
「いいよー」
許可はあっさりと出た。「どうしたの?虫歯?」
「いえ、詰め物がとれちゃったので……」
「ふーん。歯抜くんじゃないの?」

はい。なんとなく予測がつきましたねエブリバディ。
口に出された言葉は本当になるのです。

詰め物がとれた歯は親知らずで、詰め物の下で虫歯は進行しておりました。奥歯を圧迫もしていることだし、医者はのたもうたのでございます。
「抜きましょう」

言葉には力があるのです。
恨んでいいですかT次長……

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