日常に潜む恐怖
2002年9月11日蜘蛛という生物がいる。
昆虫のようで昆虫ではない。足が八本あり、他の虫を捕食するものが多い。
その姿かたちの気味悪さから、この虫を忌み嫌う人も多い。
家の中に出る蜘蛛がいる。巣は張らない。小さく、薄い茶色をしていて動きは素早い。
その蜘蛛が藤生の部屋に出た。
藤生は――かつて我が家の庭が女郎蜘蛛だらけになった過去を負っているので、この程度のミニ蜘蛛ぐらいなら特に感想はない。だがまあ、部屋の窓がベランダに面しているのでそこに出してやろうと、その辺にあった新聞紙(ハム用)に蜘蛛をひっかけて乗せて、出してやろうと思ったのである。
だが蜘蛛は乗ったもののぽとりと落ち、どこかへ紛れてしまった。
藤生はまあいいかと思い、しばし蜘蛛のことは忘れて、ハムスターに餌をやっていた。
ペレットの入った餌皿をハムスターのケージにいれてやり、蓋をしめようとしたときである。
青いケージのプラスチック部分の片隅に、件の蜘蛛を発見したのは。
ところで話は変わるが、ハムスターの餌に「ミールワーム」というものがある。
藤生は与えたことがないのだが、土みたいのに住まう芋虫さんであるという。
蛋白質豊富で、ハムスターは喜んで食べるそうだ。基本的に雑食であることだし。
そう、鼠なんて大体雑食だ。
藤生は蜘蛛を救出しようとしたのだが――権八の鼻面がそっちをむいた一瞬後、蜘蛛の姿はなかった。
権八が蜘蛛を食べたとは断言できない。
ケージの中は巣材が散乱していて蜘蛛が隠れる場所などいくらでもある。
だが問題は――権八のお口がもごもごと咀嚼モードに入ってたんだよなぁ……
昆虫のようで昆虫ではない。足が八本あり、他の虫を捕食するものが多い。
その姿かたちの気味悪さから、この虫を忌み嫌う人も多い。
家の中に出る蜘蛛がいる。巣は張らない。小さく、薄い茶色をしていて動きは素早い。
その蜘蛛が藤生の部屋に出た。
藤生は――かつて我が家の庭が女郎蜘蛛だらけになった過去を負っているので、この程度のミニ蜘蛛ぐらいなら特に感想はない。だがまあ、部屋の窓がベランダに面しているのでそこに出してやろうと、その辺にあった新聞紙(ハム用)に蜘蛛をひっかけて乗せて、出してやろうと思ったのである。
だが蜘蛛は乗ったもののぽとりと落ち、どこかへ紛れてしまった。
藤生はまあいいかと思い、しばし蜘蛛のことは忘れて、ハムスターに餌をやっていた。
ペレットの入った餌皿をハムスターのケージにいれてやり、蓋をしめようとしたときである。
青いケージのプラスチック部分の片隅に、件の蜘蛛を発見したのは。
ところで話は変わるが、ハムスターの餌に「ミールワーム」というものがある。
藤生は与えたことがないのだが、土みたいのに住まう芋虫さんであるという。
蛋白質豊富で、ハムスターは喜んで食べるそうだ。基本的に雑食であることだし。
そう、鼠なんて大体雑食だ。
藤生は蜘蛛を救出しようとしたのだが――権八の鼻面がそっちをむいた一瞬後、蜘蛛の姿はなかった。
権八が蜘蛛を食べたとは断言できない。
ケージの中は巣材が散乱していて蜘蛛が隠れる場所などいくらでもある。
だが問題は――権八のお口がもごもごと咀嚼モードに入ってたんだよなぁ……
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