みなとのよぉこよこはまよこすか
2001年2月8日内線電話がかかってくる。
隣の代理宛。でも不在。しょーがないから代わりに取ろう。ホワイトボードに行き先書いてないからたぶん社内のどっかだねぇ。
『ああ……Kいる?』
……名乗らずに用件だけを仰るというのはお歳を召したおっさんに多い。まあいいけどよう。
「K代理なら今席を外しておりますが」
『じゃあちょっとメモ残してほしいんだけど』
へいへい。同行するアポの日時をメモメモ。復唱も忘れずにね。
で。
あんた誰。
恐れ入りますが――とおっさんの正体に探りをいれようとしたところ、
『じゃ、■■からだってつたえておいて』
がちゃ。つー。
……………………はい?
いまこのおっさん、自分の名前を「おれから」って抜かしたような。
いやそんなことはないだろう。たぶん。きっと。おそらく。めいびー。
「おれ」に似ている響きの名字……「大江」とかそ、その辺……?
いやだがしかし。そんな名字のおっさんが代理の周辺にいた覚えはない。メモの「FROM」欄を空白にしたままぐるぐるしていると、当の代理がのこのこと戻ってきた。
「……代理。今電話が。××の件で10時に訪問したいと」
「××?T部長かなぁ。その時間はダメなんだけど……誰からでしたか?」
T部長か?彼なのか?そういやあの低音ボイスに覚えはあるし、彼は藤生の中の「K代理関係電話で名乗らないおっさん御三家」の見事一角を飾っているが。
ヤツの名前は四音節あるぞ。
じゃあなんだ?さっきの電話で言われた■■はやはり「おれ」だったのか?
「で、藤生(仮名)さん、誰からでしたー?」
「………………俺様からでした……」
一瞬流れる沈黙。
「なんですかそりゃー!」
「だって言ったんですよう!『俺からだって伝えておいて』って!!」
「どこのどいつですかそりゃあ!」
「そんなん私が知りたいです……」
たぶんT部長だろうということで電話をかけてみる代理。
「……ビンゴでした。藤生(仮名)さん」
「ビンゴでしたか……」
T部長。あんた。「俺から」って、「俺から」って……
あんたあたいのなんなのさーーーーーーーー?!
ツーカーの仲になった覚えはねぇぜ旦那!!
「だからそういうおじさんには『怪しい奴、名を名乗れ』って凄めって言ったじゃないですか」
「じゃあ代理凄んでおいてください……」
ちなみにタイトルとオチの関係がわかんない人はお母さんに聞いてみようね。
隣の代理宛。でも不在。しょーがないから代わりに取ろう。ホワイトボードに行き先書いてないからたぶん社内のどっかだねぇ。
『ああ……Kいる?』
……名乗らずに用件だけを仰るというのはお歳を召したおっさんに多い。まあいいけどよう。
「K代理なら今席を外しておりますが」
『じゃあちょっとメモ残してほしいんだけど』
へいへい。同行するアポの日時をメモメモ。復唱も忘れずにね。
で。
あんた誰。
恐れ入りますが――とおっさんの正体に探りをいれようとしたところ、
『じゃ、■■からだってつたえておいて』
がちゃ。つー。
……………………はい?
いまこのおっさん、自分の名前を「おれから」って抜かしたような。
いやそんなことはないだろう。たぶん。きっと。おそらく。めいびー。
「おれ」に似ている響きの名字……「大江」とかそ、その辺……?
いやだがしかし。そんな名字のおっさんが代理の周辺にいた覚えはない。メモの「FROM」欄を空白にしたままぐるぐるしていると、当の代理がのこのこと戻ってきた。
「……代理。今電話が。××の件で10時に訪問したいと」
「××?T部長かなぁ。その時間はダメなんだけど……誰からでしたか?」
T部長か?彼なのか?そういやあの低音ボイスに覚えはあるし、彼は藤生の中の「K代理関係電話で名乗らないおっさん御三家」の見事一角を飾っているが。
ヤツの名前は四音節あるぞ。
じゃあなんだ?さっきの電話で言われた■■はやはり「おれ」だったのか?
「で、藤生(仮名)さん、誰からでしたー?」
「………………俺様からでした……」
一瞬流れる沈黙。
「なんですかそりゃー!」
「だって言ったんですよう!『俺からだって伝えておいて』って!!」
「どこのどいつですかそりゃあ!」
「そんなん私が知りたいです……」
たぶんT部長だろうということで電話をかけてみる代理。
「……ビンゴでした。藤生(仮名)さん」
「ビンゴでしたか……」
T部長。あんた。「俺から」って、「俺から」って……
あんたあたいのなんなのさーーーーーーーー?!
ツーカーの仲になった覚えはねぇぜ旦那!!
「だからそういうおじさんには『怪しい奴、名を名乗れ』って凄めって言ったじゃないですか」
「じゃあ代理凄んでおいてください……」
ちなみにタイトルとオチの関係がわかんない人はお母さんに聞いてみようね。
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